12月23日に第31回ゼミを行いました!今回の内容は安藤先輩・山下くんの論文紹介と澤田くん・原田くん・有地先輩の進捗報告です.
まず初めに安藤先輩から論文紹介がありました.車載環境で用いるVCSELs(通常は基板に対し水平方向に光を共振させるところ,基板に対し垂直方向に光を共振させて光を出すレーザー.説明が難しいのでhttps://ja.wikipedia.org/wiki/VCSELなども参照)というレーザーに関する論文で,様々な波長の中から980[nm]を用いたVCSELsについて利点を説明し,その後模擬車載環境下での動作実験(-40~125[℃]まで温度を変化させる,8000時間連続稼働させる,etc)を行っていました.教授からは「8000時間で十分なのか(訳:日本車は廃車まで平均15年.1日3時間使用でも16000時間.8000時間じゃ足りなくない?)」など厳しい質問が飛んでいたため,来年にはそういった質問にもきちんと答えられるよう背景知識を蓄えていきたいです.
次に山下くんから,拡張カルマンフィルタを用いたマルチモード光ファイバの伝送行列の抽出についての論文紹介がありました.ものすごく簡単に言うとノイズを変えながらもっともらしい伝送行列の値を探していく手法についての論文なのですが,中身はかなり複雑で(僕もフィルタに関しては多少勉強しているのですが)すぐには理解できませんでした.フィルタは自分の研究にもかかわってくるためなんとか頑張って内容理解に努めたいと思います.
次に澤田くんから進捗報告がありました.今までプログラミング上のみで信号を生成していたところ,任意波形生成器(AWG)に信号を入力してオシロスコープで観察することに成功していました.また,これを行うにあたり信号に遅延が発生し信号開始地点(=信号の切れ目)が分からなくなってしまうため,信号の先頭に目印(プリアンブル)をつけて信号の同期をとることにも成功していました.次の目標はノイズの付加や伝送路の周波数応答の模擬を行うことになりそうです.
次に原田くんから進捗報告がありました.前回まではレーダー1台で実験していたところ,今回から2台に増やしての実験を行っていました.これによってまだレーダー間の同期がとれていないこと・レーダー間の干渉波による誤検知の発生など解決すべき課題がいくつか見つかっており,これらを解決しレーダー2台を完全動作させることが次の目標となりそうです.
最後に有地先輩からの進捗報告がありました.今までに測定したデータの分析(BERや周波数応答の計算)が主な内容であり,想定よりも周波数応答が弱い部分があったり,逆に想定よりも利得が高い部分があったりという結果となっていました.次の目標はこれらの原因調査(違う機器を用いて同じ実験をやり直してみる,など)のようでした.
今回の内容は以上です!今回で年内のゼミは最終回であり再開は年明け2週目~となりますが,そこから卒論締め切りまでは3週間ほどしかありません.ゼミがないとはいえ,卒論の原理を書いたりなど年末年始にもやれることはやっておこうと思います.それではよいお年を!
(文責 河合)