投稿者: RyotaroYamashita

2025年度 第20回ゼミ

10月14日に20回目のゼミを行いました。今回の内容は、B4原田(航)君、伊藤君、市川君による論文紹介、有待君、山下、安藤君、間宮君の研究進捗報告でした。

まず、B4原田(航)君から論文紹介がありました。紫外線距離方向測定システム(UVDAR)を用いた相対位置推定通信システムUVDAR-COMに関する論文でした。自然光環境下でも使用可能で、UV LEDの点滅信号を用いて位置検出とデータ通信を行うUVDARを用いることで、無線通信に頼らず高密度なUAV群の協調動作が可能であることが、シミュレーション及び実験から示されていました。

次いで、伊藤君から論文紹介がありました。122GHz帯を利用した小型高精度レーダーセンサに関するもので、仮想チャープと選択的サンプリングを活用することで、μm単位の距離測定精度が実現可能であることが示されていました。

次いで、市川君から論文紹介がありました。アプリケーションの優先度とネットワークのQoS設定を自動で一致させるスケジューリング手法に関するもので、各RPCの重要度に応じた帯域制御を行うことで、高優先度通信の遅延を大幅に削減できることが、実験により示されていました。

次に、有待君から進捗報告がありました。高周波信号伝送のための高安定・高精度な光変調器バイアス制御システムの研究をしており、今回はRaspberry Piを用いてAD/DAコンバータの制御を試みるものでした。

次いで、山下が進捗報告を行いました。主に波面変調のためのシステム再構成と、取得した画像の処理プログラムの作成に取り組みました。幾何光学や画像処理が中心であり、自身の専門分野とはやや異なり新たな知識を要したため、関連分野の基礎から学び直しながら取り組みました。

次いで、安藤君から進捗報告がありました。システムを収容するためのケースの作成、光通信のためのトランシーバの選定を行っていました。

次いで、間宮君から進捗報告がありました。制御用プログラムを改善するとともに、波形が汚く出力される原因特定のためのパワー測定を行うものでした。

今回のゼミは以上になります!初めて教授が不在となるゼミでしたが、新たに着任された劉助教授のもとで議論が深まり、内容の濃い充実した時間となりました。

(文責 山下)

2025年度 第18回ゼミ

9月29日に18回目のゼミを行いました。今回の内容は、B4原田(航)君、M1原田君、岡田君による研究の進捗報告でした。

まず、B4原田(航)君から進捗報告がありました。ドローンが複数機体での協調飛行や狭小空間での精密作業を行うための、高精度な相対距離・位置計測システムを構築する研究をしており、今回はOpenCVを用いた物体認識を試みたものでした。B4初回の進捗報告ということで、報告としてのデータの処理方法や、許容誤差の設定などについての指摘がありました。

次いで、岡田君から進捗報告がありました。シミュレーション条件を見直し再定義するとともに、シミュレーションによる各主要パラメータの性能比較結果から考察を行っていました。

次いで、M1原田君から進捗報告がありました。実機レーダのリンクバジェット計算と、シミュレーションソフトの設計考察について行われていました。現在の統計推定手法ではメモリが足りないという結論に至り、教授の推奨する手法を含む複数の手法について調査していくとのことでした。

今回のゼミは以上になります!渡欧中の学生にとっては朝一のゼミとなりましたが、問題なく集まることができました。

(文責 山下)

2025年度 第16回ゼミ

9月18日に16回目のゼミを行いました。今回の内容は、梅田君、M1原田君、岡田君による本・論文紹介、澤田君と有地君による研究の進捗報告でした。

まず、梅田君から論文紹介がありました。100Gb/s NG-EPONシステムにおける符号間干渉(ISI)対策としての等化手法についての論文で、従来のSVMを改良した修正SVMでは、独自の特徴ベクトルを構築しており、伝送性能の向上が確認されました。帯域制限によって生じるISIに対して、従来のFFEやDFEよりも高い等化効果を示し、電力バジェットの改善にも寄与することが確認されていました。

次いで、原田君から論文紹介がありました。、FMCWレーダにおける検出可能な速度範囲を拡張する新たな手法に関するもので、仮想チャープと選択的サンプリングを活用することで、従来法では検出が困難だった高速移動体に対しても速度の推定が可能であることが示されていました。

次いで、岡田君から論文紹介がありました。内容は、災害時におけるUAVを用いた通信支援システムにおいて、UAVの巡回速度と帯域幅の割り当てを同時に最適化することで、より多くの被災者からデータを収集する戦略に関するものでした。

次に、澤田君から進捗報告がありました。長波形送信時のチャネル補償精度を改善するために、パイロットシンボルの挿入方式を見直し、10シンボルごとに補償を行うことで位相ずれへの対応を強化していました。また、機器の不具合がファームウェアのバグによるものと判明しており、アップデートの重要性について喚起していました。

次いで、有地君から進捗報告がありました。AWGを用いた任意波形生成の信頼性を向上させるとともに、NRZおよびOFDM信号の高速伝送実験に取り組んでいました。理想と異なり誤りが生じてしまう点の考察について教授と議論を重ねていました。

今回のゼミは以上になります!B4進捗報告の開始時期も定まり、それぞれの学年が異なる忙しさを抱える時期に入っていきますが、今年は3世代が揃う初めての年でもあります。研究室全体で支え合いながら、一丸となってこの苦しい時期を乗り越えていきたいと思います。

(文責 山下)

2025年度 第15回ゼミ

9月9日に15回目のゼミを行いました。今回の内容は、宮本君、有地君による本・論文紹介、山下と間宮君による研究の進捗報告でした。

まず、宮本君から論文紹介がありました。光カメラ通信におけるデータレート向上についての論文で、人工ニューラルネットワークベースのイコライザを用いて符号間干渉(ISI)を軽減し、通信性能を改善できることが述べられていました。特に、提案手法は12kbpsまでのデータレートでFEC制限以下のBERを達成し、従来法に比べてISIの影響が大きく軽減されていることが実験により示されました。

次いで、有地君から論文紹介がありました。内容は、Alamouti符号をOFDMにおいて周波数領域で適用する空間周波数符号化(SFC)に関するものでした。特に、周波数選択性の影響による性能劣化を防ぐために提案された同時最尤復号により、空間時間符号化(STC)と同等の性能が得られることが示されていました。

次に、山下が進捗報告を行いました。 条件を変えた伝送実験を通しで行い、結果について考察するとともに、卒業研究では間に合わなかった波面制御装置についてセットアップ及び動作確認を行いました。おかしな伝送挙動が見受けられた点について、原因について調査するための実験機器を貸し出していただくことになったので、一刻も早い原因究明に努めたいと思います。

次いで、間宮君から進捗報告がありました。FPGA上で最急降下法による偏波制御プログラムを実装し、Red Pitayaを用いた動作準備を進めていました。あわせて、PRBS生成・BER計算・AWG制御の各プログラムをPythonで作成し、RF送受信や光伝送の動作確認も行っていました。

今回のゼミは以上になります!就活イベント真っ只中ということもあり、普段の2/3ほどしか学生のいないゼミとなりました。再び全員が集合するゼミは何週間後になるのでしょうか。

(文責 山下)

2025年度 第13回ゼミ

8月24日に13回目のゼミを行いました。今回の内容は、原田(航)君、市川君、山下による本・論文紹介、M1原田君と岡田君による研究の進捗報告、M1による工学研究者基盤の英語プレゼンテーションでした。

まず、原田(航)君から論文紹介がありました。BLE の RSSI を用いた屋内測位システムにおいて、BLE 規格やデータ処理法を比較し、修正係数の導入により平均誤差と分散を低減し、より信頼性の高い測位を実現する方法を示すものでした。

次いで、市川君から論文紹介がありました。パケット交換ネットワークにおける障害復旧手法を網羅的に整理・比較し、特にMPLSでのRSVP-TEを用いたプライマリLSPとバックアップLSPの事前構成による50ms以内の高速復旧方法や、One-to-OneバックアップとFacilityバックアップの特徴を対比して信頼性と柔軟性の観点から整理するものでした。

次いで、山下が論文紹介を行いました。GI-MMファイバ末端で取得したNFP/FFP画像を基にPoint Radianceをモデル化し、そのシミュレーションによって光伝送特性を定量的かつ詳細に評価可能とするものでした。自身の研究で光ファイバのミスアライメントが伝送特性にもたらす影響解析を試みていることもあり、理解の補助になりました。

次に、M1原田君から進捗報告がありました。電磁界シミュレーションソフトを用いて球モデルのRCS(レーダー反射断面積)を測定し、その成果を自身の研究に応用するとともに、最終的にはバイスタティックRCS測定へと発展させたいとのことでした。

次いで、岡田君から進捗報告がありました。フェーズドアレーアンテナのアンテナ利得算出のための原理導出と調査、そして UAV 通信モデルに基づくシミュレーションにより、アンテナ構成やセクタ数が通信性能に与える影響を解析し、最適な設計指針を示すものでした。

今回のゼミは以上になります!長期休暇中の今だからできることを粛々と進めていきたいと思います。

(文責 山下)

2025年度 第11回ゼミ

7月7日に11回目のゼミを行いました。今回の内容は、有待君、M1原田君、岡田君による本・論文紹介と、河合君と間宮君による研究の進捗報告、M1による工学研究者基盤の英語プレゼンテーションでした。

まず、有待君から論文紹介がありました。次世代VLAモデルにおいて、広帯域で高い安定性を持つマイクロ波フォトニクス信号と長距離光ファイバを使い、色分散の補償や周波数の再生成などの技術を組み合わせることで、広範囲に配置されたアンテナを高精度に同期させる方法を提案するものでした。

次いで、M1原田君から論文紹介がありました。送信機と受信機が同一位置にあるモノスタティックレーダーに対して、それらを離して設置し両者間を通信で接続するバイスタティックレーダーシステムの優位性を確認するものでした。

次いで、岡田君から論文紹介がありました。固定翼UAVを用いたミリ波無線において、アレーアンテナの角度や素子数が通信性能に与える影響をシミュレーションにより解析し、最適な設計指針を提示するものでした。非現実的な設定での実験を行っているにもかかわらず、この論文がQ1ジャーナルに位置付けられていることに教授から驚きの声が上がっていました。

次に、河合君から進捗報告がありました。等化器に関する基礎知識の習得や任意波形発生器(AWG)・オシロスコープのチュートリアルを中心とした進捗でしたが、自身の理解に加え教授の助言を受けながら、今後の研究の方向性を確かなものにしていました。

次いで、間宮君から進捗報告がありました。偏波制御システムの計算時間を短縮するため、FPGA上にAWGを実装し、C言語によるアドレス書き換えで制御する準備段階についての報告がありました。

最後に、M1による工学研究者基盤の英語プレゼンがありました。資料の出来以上に、質問に対する適切な応答の難しさが浮き彫りになり、近々学外で英語プレゼンの機会を控えている私としては、非常に身が引き締まる思いでした。

今回のゼミは以上になります!就職活動の第一波も過ぎ去り、研究に割ける時間がわずかとはいえ増えてきました。今のうちに進められるだけ進め、のちの負担を減らせたらと思います。

(文責 山下)

2025年度 第9回ゼミ

6月16日に9回目のゼミを行いました。今回の内容は、B4やりたい研究テーマ発表、B4の梅田君とM2有地君による本・論文紹介、M1伊藤君とM2岡田君による研究の進捗報告でした。

まず、B4の3名から、各々やりたい研究テーマについて発表がありました。有待君が同期型ミリ波レーダーとクロック・タイミング同期用光ファイバネットワーク、原田(航)君がドローン間距離・方向検出システム、原田(拓)君がドローン向け920MHz帯通信技術を挙げていました。 

次いで、B4梅田君から本紹介がありました。紹介した本は光ファイバに関するものであり、特に光通信における不具合の一因である戻り光を除去する、光アイソレータの性質についてまとめられていました。

次いで、有地君から論文紹介がありました。水中無線光通信でMIMO DCO-OFDMを用いることの有効性を、SIMOとMIMO、清水と汚水と伝送条件を変更し、比較により確認するものでした。教授と論文を掘り下げていく中で、MIMOモデル、有効数字設定の粗さなどから、怪しい論文であるという結論にたどり着いていました。

次に、伊藤君から進捗報告がありました。redpitayaチュートリアルと実験環境構築が主な研究内容でした。チュートリアルの過程で、公式で推奨された方法だとうまく作動しないとの注意喚起がありました。 過去にも同様の事例がゼミ内で上がっていることから、何かしら再現性はあると思われますが、原因は不明のままでした。 

最後に、岡田君から進捗報告がありました。研究テーマは、災害時を想定したドローンによる単一円形セルモデルにおけるアップリンクNOMA(Non-Orthogonal Multiple Access)伝送モデルに関するものです。モデルのセル半径を決定するための係数やパラメータの設定についての説明があり、特に到達目標BERとの関係や、実用面でどの程度現実的かといった点について、活発な議論が交わされました。

今回のゼミは以上になります!第1クォーターを終えたばかりですが、まだまだ息つく間もない忙しさが続きそうです。無理のない範囲で着実に進めていければと思います!

(文責 山下)

2025年度 第7回ゼミ

6月2日に7回目のゼミを行いました。今回の内容は、B4の原田拓弥君とM2間宮君による本・論文紹介と、M1河合君,澤田君による研究の進捗報告でした。

まず、B4原田拓弥君から本紹介がありました。ネットワーク技術の学習書として、仮想環境を構築しながらプロトコルや機器の動作を体験的に学べる内容であり、特にARPやイーサネットなどデータリンク層の基本動作を実際のパケットキャプチャを通じて理解できる構成が特徴でした。

次いで、間宮君から論文紹介がありました。研究内容とよく似た3つのファイバスクイーザによる偏波制御についての論文でしたが、論文の古さによる現技術とのギャップと、”エンドレス”の定義について指摘されていました。

次に、河合君から進捗報告がありました。卒論からの変更点として、シミュレーションと実験においてデータレートやオーバーサンプル倍率などの条件を統一するとともに、イコライザーの係数計算方式を従来のLMSからMMSEへと変更していました。

教授は議論の流れで、定期的に我に返り、目先の事象に囚われることなく本来の研究目的を見失わないことの大切さを説かれていました。常に全体像を意識しながら進める姿勢の重要性は卒論制作の過程でひどく痛感していたため、下の世代にも共有していく必要がある考え方だと共感しました。

最後に、澤田君から進捗報告がありました。卒論で使用していたTone Injectionを改良し、Rappモデル増幅器を用いたシミュレーション比較を行うものでした。シミュレーション比較対象の変更などが検討されていました。

今回のゼミは以上になります!ゼミ後には研究室メンバーの集合写真を撮影しました。自分がそっぽ向いていた写真から更新され内心ほっとしています。(写真は画面上部のMembersから見ることができます)

(文責 山下)

2025年度 第5回ゼミ

5月13日に5回目のゼミを行いました。今回の内容は、B4の橋本君による本紹介と、M1山下による研究の進捗報告でした。

まず、橋本君から論文紹介がありました。24GHzレーダーセンサのみを使用した物体追跡手法で、Track-Before-Detect(TBD)とパーティクルフィルタ(PF)を組み合わせた処理により、情報を失わず優れた推定精度を実現するというものでした。参考文献も調査し簡潔にまとめられていました。

次に、山下が進捗報告を行いました。11月の学会発表に向けて、卒業研究で構築した光ファイバ伝送システムを修正し、意図的に軸ずれを発生させての伝送実験を行いました。結果について教授からご助言頂くとともに、学会発表を見据えた研究の方向性を再確認し、今後の進め方を明確にすることができました。

今回のゼミは以上になります!研究、Q1の期末試験、就活が重なり、個人的に多忙な時期を迎えていますが、無理はせず効率よく取り組んでいきたいです。

(文責 山下)

2025年度 第3回ゼミ

4月21日に新年度3回目のゼミを行いました。今回の内容は、初回から続いていたM1・M2生による自己紹介・研究紹介の最終回と、M1の伊藤君、市川君による論文紹介です。

まずはM1生3名による自己紹介・研究紹介がありました。昨年度の配属時には聞けなかったような新情報や研究の方向性が語られ、1年を経て仲間としての距離がぐっと縮まったことを実感しました。

続いて、伊藤君から論文紹介がありました。自動車におけるサブテラヘルツ帯レーダーの導入による利点を、実験を通じて検証するものでした。配属されて間もなくの初発表でしたが、研究テーマと関連性の高い適切な論文を選び、自分の意見を持って質問に応対していたのが印象的でした。

最後に、市川君から論文紹介がありました。ネットワークのルーティングに関する論文で、静的なQoS制御手法であるDiffServに対し、動的なWRR(Weighted round robin)を組み合わせることで、DiffServに並ぶ応答性能を実現する提案モデルが紹介されました。卒研発表時に質問された内容について補完する論文のようでした。

今回のゼミは以上になります!年度が替わり、取り巻く環境が一変したことに戸惑いもありますが、新たな研究発表の機会も迫っていることですし、なんとか気持ちを切り換えて研究に集中したいと思います!

(文責 山下)