月: 2024年12月

2024年度 第31回ゼミ

12月23日に第31回ゼミを行いました!今回の内容は安藤先輩・山下くんの論文紹介と澤田くん・原田くん・有地先輩の進捗報告です.

まず初めに安藤先輩から論文紹介がありました.車載環境で用いるVCSELs(通常は基板に対し水平方向に光を共振させるところ,基板に対し垂直方向に光を共振させて光を出すレーザー.説明が難しいのでhttps://ja.wikipedia.org/wiki/VCSELなども参照)というレーザーに関する論文で,様々な波長の中から980[nm]を用いたVCSELsについて利点を説明し,その後模擬車載環境下での動作実験(-40~125[℃]まで温度を変化させる,8000時間連続稼働させる,etc)を行っていました.教授からは「8000時間で十分なのか(訳:日本車は廃車まで平均15年.1日3時間使用でも16000時間.8000時間じゃ足りなくない?)」など厳しい質問が飛んでいたため,来年にはそういった質問にもきちんと答えられるよう背景知識を蓄えていきたいです.
次に山下くんから,拡張カルマンフィルタを用いたマルチモード光ファイバの伝送行列の抽出についての論文紹介がありました.ものすごく簡単に言うとノイズを変えながらもっともらしい伝送行列の値を探していく手法についての論文なのですが,中身はかなり複雑で(僕もフィルタに関しては多少勉強しているのですが)すぐには理解できませんでした.フィルタは自分の研究にもかかわってくるためなんとか頑張って内容理解に努めたいと思います.

次に澤田くんから進捗報告がありました.今までプログラミング上のみで信号を生成していたところ,任意波形生成器(AWG)に信号を入力してオシロスコープで観察することに成功していました.また,これを行うにあたり信号に遅延が発生し信号開始地点(=信号の切れ目)が分からなくなってしまうため,信号の先頭に目印(プリアンブル)をつけて信号の同期をとることにも成功していました.次の目標はノイズの付加や伝送路の周波数応答の模擬を行うことになりそうです.

次に原田くんから進捗報告がありました.前回まではレーダー1台で実験していたところ,今回から2台に増やしての実験を行っていました.これによってまだレーダー間の同期がとれていないこと・レーダー間の干渉波による誤検知の発生など解決すべき課題がいくつか見つかっており,これらを解決しレーダー2台を完全動作させることが次の目標となりそうです.

最後に有地先輩からの進捗報告がありました.今までに測定したデータの分析(BERや周波数応答の計算)が主な内容であり,想定よりも周波数応答が弱い部分があったり,逆に想定よりも利得が高い部分があったりという結果となっていました.次の目標はこれらの原因調査(違う機器を用いて同じ実験をやり直してみる,など)のようでした.

今回の内容は以上です!今回で年内のゼミは最終回であり再開は年明け2週目~となりますが,そこから卒論締め切りまでは3週間ほどしかありません.ゼミがないとはいえ,卒論の原理を書いたりなど年末年始にもやれることはやっておこうと思います.それではよいお年を!

(文責 河合)

2024年度 第30回ゼミ

12月17日に第30回ゼミを行いました。今回の内容は市川先輩、河合君、間宮先輩の進捗報告と澤田、有地先輩の論文紹介です。

最初に市川先輩から進捗報告がありました。セミコンジャパン2024という主に半導体装置、材料の展示会に行かれたようで、簡単にどのようなことがあったかを説明してくれました。C++での動的ルーティングをするルーターの制作段階でエラーが発生していたようですが、パス関係のミスがありそれを直すことでエラーの解消ができそうでした。

次に河合君から進捗報告がありました。前回と同様イコライザーの制作をに取り組んでいました。係数計算にミスがあったようで、プログラムの修正に取り掛かっていました。教授に係数計算のミスの原因の他に、イコライザーの評価方法や理論値の計算などのアドバイスをいただいていました。

次に間宮先輩から進捗報告がありました。オペアンプのはんだ付けをし、アンプの動作確認をしていましたがオフセットが大きすぎるため改善が必要のようでした。DCでの動作確認やオフセットの補償回路の実装もそのうち必要になってくるとアドバイスをいただいていました。

次に澤田から論文紹介を行いました。パイロットシーケンスを用いた光OFDMの同期についての論文を紹介しました。中間報告でOFDM信号の同期が必要だと分かったためこの論文を選びましたが、自分が思っている式と違う式が書かれていたため理解するのに苦労しました。後々自分の実験に導入できるならしたいと思います。

最後に有地先輩から論文紹介がありました。主な内容はDCO-OFDMをAlaumoti符号で伝送し評価するというものです。研究での関連性が高そうということでこの論文を選んだそうです。Alaumoti符号とDCO-OFDMとの関係性がどれくらいあるのか、帯域はこれで足りるのかなど多くの疑問点がありました。

今回の内容は以上になります!来週のゼミが今年最後のゼミになるので、卒論のためにもできるだけ進捗を生んで臨みたいと思います!

(文責 澤田)

2024年度 第29回ゼミ

12月9日に第29回ゼミを行いました!今回の内容は僕と間宮先輩の論文紹介,原田くんと山下くんと安藤先輩の進捗報告の2点です.

まず僕から論文紹介を行いました.イコライザーの整定時間(出力が安定するまでの時間)と性能の関係についての論文で,整定時間が長いほうが性能が良くなると書いてありました.
しかし教授との会話の中で,これは整定時間が長いほど良いというわけではなくデータレートの逆数に近いと良い(今回のデータレートは6.25[Gb/s]であるためその逆数である160[ps]程度)ということが分かりました.背景知識が足りないとこのような誤読をしてしまうという具体的経験を得られたため,今後は研究一辺倒ではなく適度に座学も挟んでいこうと思います.

次に間宮先輩からテラヘルツ通信の課題についての論文紹介がありました.スペクトル管理(大気中分子による波の吸収など),6Gとの統合上の課題(テラヘルツ波は周波数が高いため,人間の横断程度の些細な現象で送受信ができなくなってしまうなど)について述べられており,最新の研究の動向を確かめて自分の研究にも活かしていくためにこの論文を選んだようでした.

次に原田くんからの進捗報告がありました.レーダーの対象物を自作してレーダーで観測し,その結果をレーダー方程式と比較して妥当性を確かめていました.一応の結果は得られたものの,測定点の端にいくにつれ誤差が出てくるためどの点までのデータを使うかで教授と議論を行っていました.次はレーダーを複数動作させることが目標のようです.

次に山下くんからの進捗報告がありました.使用するアンプの自作やSLMを用いた偏波の制御を行っていましたが出力が弱すぎる(≒雑音が大きすぎる)問題に直面していました.次の課題はSLMのさらに詳細な制御,CMOSカメラによる空間モード(光が光ファイバー中を伝搬する経路は光ごとに異なり,それぞれの伝わり方を空間モードといいます)の観測となりそうです.

最後に安藤先輩から進捗報告がありました.前回発生していた時刻同期のエラーをおおむね解消し1秒あたり10[µs]程度の誤差まで精度を高めることに成功していました.次はこの時刻同期を定期的に実行するプログラムを完成させること,またサーバー側で車両の情報を確認するためのプログラムの作成などを行っていくようです.

今回の内容は以上となります!年末も近いですが年が明ければすぐ卒論締め切りとなるのであまりゆっくりしているわけにもいきません.できることは今のうちに進めていこうと思います.

(文責 河合)

2024年度 第28回ゼミ

12月2日に第28回ゼミを行いました。今回の内容はB4の中間報告と有地先輩のNICTインターンと間宮先輩のドイツ研究室訪問の報告になります。

最初に市川先輩から中間報告がありました。OMNeT++を用いた研究の現在の動向についてが主な内容でした。今後の展望として改善されたルーティングの実現や評価のグラフ化、実機を用いた検証を目指しているようです。研究の背景を短くまとめたものを書いておくといいとアドバイスをいただいていたので自分も取り入れていきたいと思いました。

次に河合君から中間報告がありました。高速光通信のためのイコライザーを作成し、シミュレーションを行ったという内容でした。実験結果としてはイコライザーがうまく機能しているようでしたが、フィルタのタップ数とBERの関係に問題があったため改善が必要だと報告していました。

次に澤田から中間報告をしました。OFDMの送受信のシミュレーション実験の報告をしましたが、設定パラメータの決定や送受信機の同期などが不十分だったのでプログラムの変更が必要だと実感しました。実験装置の制御も急ぎでやっていきたいと思いました。

次に原田君から中間報告がありました。FMCWレーダーを用いたターゲットの認識についての実験を報告していました。今後は複数のレーダーを使うようですが今回は1つのレーダーでの動作確認を行っていました。距離に対してのSN比が欲しいデータと異なっていたので異なる環境下での実験を行うようです。

次に山下君から中間報告がありました。振動装置による車載環境の再現を主に報告していました。任意に設定した周波数で振動させ、グラフに出力したところその周波数で振動できているようでしたが、机の振動などを加味した実験結果も必要ではないかとアドバイスをいただいていました。

次に間宮先輩のドイツ研究室訪問の報告がありました。思ったよりもトラブルが発生しており海外に行く際の苦労を実感しましたが、多くの学生や教授との交流や観光地も多くあり充実した研究室訪問になったそうです。海外に行くときの教訓みたいなものを書いてくれていたので、もし行く機会があれば参考にしたいと思います。

最後に有地先輩からNICTインターンの報告がありました。多くの研究進捗の他に東京での生活も報告してくれました。研究については実際に光ファイバを用いた伝送実験を行い、多くの結果が得られていました。東京も有地先輩らしい感想と共にたくさん報告してくれました。

今回の中間報告で自分たちの研究の進捗具合が具体的に分かったので、しっかりスケジュールを立てながら研究を進めていきたいと思います。

(文責 澤田)