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2025年度 第13回ゼミ

8月24日に13回目のゼミを行いました。今回の内容は、原田(航)君、市川君、山下による本・論文紹介、M1原田君と岡田君による研究の進捗報告、M1による工学研究者基盤の英語プレゼンテーションでした。

まず、原田(航)君から論文紹介がありました。BLE の RSSI を用いた屋内測位システムにおいて、BLE 規格やデータ処理法を比較し、修正係数の導入により平均誤差と分散を低減し、より信頼性の高い測位を実現する方法を示すものでした。

次いで、市川君から論文紹介がありました。パケット交換ネットワークにおける障害復旧手法を網羅的に整理・比較し、特にMPLSでのRSVP-TEを用いたプライマリLSPとバックアップLSPの事前構成による50ms以内の高速復旧方法や、One-to-OneバックアップとFacilityバックアップの特徴を対比して信頼性と柔軟性の観点から整理するものでした。

次いで、山下が論文紹介を行いました。GI-MMファイバ末端で取得したNFP/FFP画像を基にPoint Radianceをモデル化し、そのシミュレーションによって光伝送特性を定量的かつ詳細に評価可能とするものでした。自身の研究で光ファイバのミスアライメントが伝送特性にもたらす影響解析を試みていることもあり、理解の補助になりました。

次に、M1原田君から進捗報告がありました。電磁界シミュレーションソフトを用いて球モデルのRCS(レーダー反射断面積)を測定し、その成果を自身の研究に応用するとともに、最終的にはバイスタティックRCS測定へと発展させたいとのことでした。

次いで、岡田君から進捗報告がありました。フェーズドアレーアンテナのアンテナ利得算出のための原理導出と調査、そして UAV 通信モデルに基づくシミュレーションにより、アンテナ構成やセクタ数が通信性能に与える影響を解析し、最適な設計指針を示すものでした。

今回のゼミは以上になります!長期休暇中の今だからできることを粛々と進めていきたいと思います。

(文責 山下)

2025年度 第12回ゼミ

7月14日に12回目のゼミを行いました。今回の内容は、B4の橋本君、M1の伊藤、M2の安藤君による推論文紹介、M1の澤田君とM2の有地君による研究の進捗報告、M1の原田君と山下君による工学研究者基盤という授業の英語プレゼンでした。

まず、橋本君から論文紹介がありました。内容は、無人航空機の飛行支援を目的とし、LiDARというセンサデバイスとカメラから得られる障害物情報を融合するというものでした。発表後には、今後の自身の研究のビジョンについても踏まえた先生からのコメントがありました。

次に、伊藤が論文紹介を行いました。内容は、複数のレーダーを用いて対象物を高精度に計測するというものでした。しかし、論文内の実験条件に関して誤解している箇所があり、それが原理的な理解にも関わる重要な点であったことから、再度内容を精査する必要があるという結論に至りました。

次に、安藤君から論文紹介がありました。内容は、GPSとIVN(車載ネットワーク)を用いて車両の速度を取得するというものでした。しかし、全体的に内容が分かりづらく、信頼性に疑問が残る部分も多かったことから、やや信ぴょう性に欠ける論文であるという評価になりました。

次いで、澤田君から研究の進捗報告がありました。内容は、卒論で使用したSCPI制御がAWGで使えないという課題についての取り組みでした。

次に、有地君から研究の進捗報告がありました。内容は、新たに導入されたオシロスコープの制御に取り組んだものの、現時点ではうまく制御できていないというものでした。現在は、さまざまな方法を試しながら解決策を模索している段階とのことでした。

次いで、原田君から英語プレゼンの発表がありました。一部に英語表現の誤りが見られたことが、今回の反省点として挙げられていました。

最後に、山下君から英語プレゼンの発表がありました。プレゼン資料の作成において形式的なミスが見られたことが、今回の反省点として挙げられていました。

今回のゼミは以上となります。前期も終わりが近づいてきました。あと少し、気を引き締めて乗り切っていきたいです。

(文責 伊藤)

2025年度 第11回ゼミ

7月7日に11回目のゼミを行いました。今回の内容は、有待君、M1原田君、岡田君による本・論文紹介と、河合君と間宮君による研究の進捗報告、M1による工学研究者基盤の英語プレゼンテーションでした。

まず、有待君から論文紹介がありました。次世代VLAモデルにおいて、広帯域で高い安定性を持つマイクロ波フォトニクス信号と長距離光ファイバを使い、色分散の補償や周波数の再生成などの技術を組み合わせることで、広範囲に配置されたアンテナを高精度に同期させる方法を提案するものでした。

次いで、M1原田君から論文紹介がありました。送信機と受信機が同一位置にあるモノスタティックレーダーに対して、それらを離して設置し両者間を通信で接続するバイスタティックレーダーシステムの優位性を確認するものでした。

次いで、岡田君から論文紹介がありました。固定翼UAVを用いたミリ波無線において、アレーアンテナの角度や素子数が通信性能に与える影響をシミュレーションにより解析し、最適な設計指針を提示するものでした。非現実的な設定での実験を行っているにもかかわらず、この論文がQ1ジャーナルに位置付けられていることに教授から驚きの声が上がっていました。

次に、河合君から進捗報告がありました。等化器に関する基礎知識の習得や任意波形発生器(AWG)・オシロスコープのチュートリアルを中心とした進捗でしたが、自身の理解に加え教授の助言を受けながら、今後の研究の方向性を確かなものにしていました。

次いで、間宮君から進捗報告がありました。偏波制御システムの計算時間を短縮するため、FPGA上にAWGを実装し、C言語によるアドレス書き換えで制御する準備段階についての報告がありました。

最後に、M1による工学研究者基盤の英語プレゼンがありました。資料の出来以上に、質問に対する適切な応答の難しさが浮き彫りになり、近々学外で英語プレゼンの機会を控えている私としては、非常に身が引き締まる思いでした。

今回のゼミは以上になります!就職活動の第一波も過ぎ去り、研究に割ける時間がわずかとはいえ増えてきました。今のうちに進められるだけ進め、のちの負担を減らせたらと思います。

(文責 山下)

2025年度 第9回ゼミ

6月16日に9回目のゼミを行いました。今回の内容は、B4やりたい研究テーマ発表、B4の梅田君とM2有地君による本・論文紹介、M1伊藤君とM2岡田君による研究の進捗報告でした。

まず、B4の3名から、各々やりたい研究テーマについて発表がありました。有待君が同期型ミリ波レーダーとクロック・タイミング同期用光ファイバネットワーク、原田(航)君がドローン間距離・方向検出システム、原田(拓)君がドローン向け920MHz帯通信技術を挙げていました。 

次いで、B4梅田君から本紹介がありました。紹介した本は光ファイバに関するものであり、特に光通信における不具合の一因である戻り光を除去する、光アイソレータの性質についてまとめられていました。

次いで、有地君から論文紹介がありました。水中無線光通信でMIMO DCO-OFDMを用いることの有効性を、SIMOとMIMO、清水と汚水と伝送条件を変更し、比較により確認するものでした。教授と論文を掘り下げていく中で、MIMOモデル、有効数字設定の粗さなどから、怪しい論文であるという結論にたどり着いていました。

次に、伊藤君から進捗報告がありました。redpitayaチュートリアルと実験環境構築が主な研究内容でした。チュートリアルの過程で、公式で推奨された方法だとうまく作動しないとの注意喚起がありました。 過去にも同様の事例がゼミ内で上がっていることから、何かしら再現性はあると思われますが、原因は不明のままでした。 

最後に、岡田君から進捗報告がありました。研究テーマは、災害時を想定したドローンによる単一円形セルモデルにおけるアップリンクNOMA(Non-Orthogonal Multiple Access)伝送モデルに関するものです。モデルのセル半径を決定するための係数やパラメータの設定についての説明があり、特に到達目標BERとの関係や、実用面でどの程度現実的かといった点について、活発な議論が交わされました。

今回のゼミは以上になります!第1クォーターを終えたばかりですが、まだまだ息つく間もない忙しさが続きそうです。無理のない範囲で着実に進めていければと思います!

(文責 山下)

2025年度 第7回ゼミ

6月2日に7回目のゼミを行いました。今回の内容は、B4の原田拓弥君とM2間宮君による本・論文紹介と、M1河合君,澤田君による研究の進捗報告でした。

まず、B4原田拓弥君から本紹介がありました。ネットワーク技術の学習書として、仮想環境を構築しながらプロトコルや機器の動作を体験的に学べる内容であり、特にARPやイーサネットなどデータリンク層の基本動作を実際のパケットキャプチャを通じて理解できる構成が特徴でした。

次いで、間宮君から論文紹介がありました。研究内容とよく似た3つのファイバスクイーザによる偏波制御についての論文でしたが、論文の古さによる現技術とのギャップと、”エンドレス”の定義について指摘されていました。

次に、河合君から進捗報告がありました。卒論からの変更点として、シミュレーションと実験においてデータレートやオーバーサンプル倍率などの条件を統一するとともに、イコライザーの係数計算方式を従来のLMSからMMSEへと変更していました。

教授は議論の流れで、定期的に我に返り、目先の事象に囚われることなく本来の研究目的を見失わないことの大切さを説かれていました。常に全体像を意識しながら進める姿勢の重要性は卒論制作の過程でひどく痛感していたため、下の世代にも共有していく必要がある考え方だと共感しました。

最後に、澤田君から進捗報告がありました。卒論で使用していたTone Injectionを改良し、Rappモデル増幅器を用いたシミュレーション比較を行うものでした。シミュレーション比較対象の変更などが検討されていました。

今回のゼミは以上になります!ゼミ後には研究室メンバーの集合写真を撮影しました。自分がそっぽ向いていた写真から更新され内心ほっとしています。(写真は画面上部のMembersから見ることができます)

(文責 山下)

2025年度 第6回ゼミ

5月22日に6回目のゼミを行いました。今回の内容は、B4の原田航正君とM1の河合君による本紹介と、M2の有地君と間宮君による研究の進捗報告でした。

まず、原田航正君から論文紹介がありました。紹介した本は光ファイバに関するものであり、各種類の光ファイバについて、構成や特性をまとめていました。実際にどの光ファイバが使われているかなどの質問があり、議論が深まりました。

次に河合君が論文紹介を行いました。紹介した論文は、雑音補正でモード依存利得推定の精度を向上するといったものでした。損失に関する推定は論文中に書いてありましたが、河合君の研究に直結するイコライザーをどのように使ったかは触れられておらず、それに関して更なる調査をすることが課題となっていました。

次に、有地君が進捗報告を行いました。今回はMIMOとMISOを用いたときに、伝送品質が実際に改善するか実験で確かめたという内容でした。MISOのときだけ結果が良くない理由について、先生からたくさんの指摘を受けて検討を重ね、最終的に原因を特定・解決するに至りました。

最後に間宮君が進捗報告を行いました。偏波制御における、処理速度の向上を目的としたFPGAの導入についての報告でした。現在はFPGAの基礎を学びながら、今後の実装に向けて準備を進めている段階でした。

今回のゼミは以上になります!新年度が始まってから2か月弱経ち、新しいメンバー、環境にも慣れてきました。より一層、研究、就活、授業に集中していきたいです。

(文責 伊藤)

2025年度 第5回ゼミ

5月13日に5回目のゼミを行いました。今回の内容は、B4の橋本君による本紹介と、M1山下による研究の進捗報告でした。

まず、橋本君から論文紹介がありました。24GHzレーダーセンサのみを使用した物体追跡手法で、Track-Before-Detect(TBD)とパーティクルフィルタ(PF)を組み合わせた処理により、情報を失わず優れた推定精度を実現するというものでした。参考文献も調査し簡潔にまとめられていました。

次に、山下が進捗報告を行いました。11月の学会発表に向けて、卒業研究で構築した光ファイバ伝送システムを修正し、意図的に軸ずれを発生させての伝送実験を行いました。結果について教授からご助言頂くとともに、学会発表を見据えた研究の方向性を再確認し、今後の進め方を明確にすることができました。

今回のゼミは以上になります!研究、Q1の期末試験、就活が重なり、個人的に多忙な時期を迎えていますが、無理はせず効率よく取り組んでいきたいです。

(文責 山下)

2025年度 第4回ゼミ

4月28日に4回目のゼミを行いました。今回の内容は、B4の有待君による本紹介と、安藤君による研究の進捗報告でした。

まずは有待君による本紹介でした。紹介された本は「設計技術シリーズ ミリ波レーダ技術と設計 車載用レーダやセンサ技術への応用」です。レーダーの性能評価の指標に関する内容など、レーダーの基礎に関するまとめについて発表していました。教授からは分かったこと、分からなかったことをまとめるようにアドバイスがされていました。

続いて、安藤君から研究の進捗報告がありました。自動運転に向けた車載システムについて、システムの概要を決め、検討するといった内容でした。研究の優先順位や、今できることできないことを明確にして、時間を有効的に使う姿勢が感じられました。設置するカメラの個数や保存した写真の扱いに関する質問が寄せられ、それに対し議論が行われていました。

今回のゼミは以上になります!私自身、今年から菅野研究室の新メンバーとして加わり、まだ慣れないことも多いですが、菅野研究室の一員として研究に励んでいきたいです!

(文責 伊藤)

2025年度 第3回ゼミ

4月21日に新年度3回目のゼミを行いました。今回の内容は、初回から続いていたM1・M2生による自己紹介・研究紹介の最終回と、M1の伊藤君、市川君による論文紹介です。

まずはM1生3名による自己紹介・研究紹介がありました。昨年度の配属時には聞けなかったような新情報や研究の方向性が語られ、1年を経て仲間としての距離がぐっと縮まったことを実感しました。

続いて、伊藤君から論文紹介がありました。自動車におけるサブテラヘルツ帯レーダーの導入による利点を、実験を通じて検証するものでした。配属されて間もなくの初発表でしたが、研究テーマと関連性の高い適切な論文を選び、自分の意見を持って質問に応対していたのが印象的でした。

最後に、市川君から論文紹介がありました。ネットワークのルーティングに関する論文で、静的なQoS制御手法であるDiffServに対し、動的なWRR(Weighted round robin)を組み合わせることで、DiffServに並ぶ応答性能を実現する提案モデルが紹介されました。卒研発表時に質問された内容について補完する論文のようでした。

今回のゼミは以上になります!年度が替わり、取り巻く環境が一変したことに戸惑いもありますが、新たな研究発表の機会も迫っていることですし、なんとか気持ちを切り換えて研究に集中したいと思います!

(文責 山下)

研究室お引っ越し

時の流れとは早いもので、4月になり新しいB4の学生が研究室に配属されました!僕たちM1世代もついに先輩になります。先輩らしく後輩に指導などできたらなと思います。

今年はとても配属の人数が多かったため菅野研の人数は一気に8人→15人になりました。一気に2倍近くにまで増えるのはさすがに予想外であり1部屋ではスペースが足りず、研究室を実験室と学生居室の2つに分けることになりました。ということで昨日から研究室のお引越しをしています。

昨日はまず新しい部屋の片付けから行いました。新しい部屋と言っても前までは他の研究室が使っていた部屋のため、そのまま使えるというわけではありません。床のカーペットを剥がして新しいものに張替え、机も組み立てて…などしているうちにあっという間に夕方になっていました。普段運動とかあまりしてないためかなり疲れましたね。しかしまだ椅子の運び込みや本棚・ロッカーの移動など重労働がたくさん残っています。すべて終わるのはいつになることやら。

なにはともあれ、新年度スタートとともに菅野研も心機一転新しい部屋でスタートしました!新しい仲間とともにまた1年間頑張っていきたいと思います。

(なお余談ですが、新年度から研究室内役割分担が変わるため次回からは多分僕や澤田ではない他の誰かがこのブログを書くことになると思います。僕個人としては、1年間ブログを書くうえで「どこの研究室に行こうか迷ってるB3の学生にウチの研究室をPRするにはどうしたらいいかなー」などと考えながら文章を書くのは結構楽しかったです。読んでくださった方々、1年間お付き合いありがとうございました!)

(文責 M1河合)