投稿者: Shunya KAWAI

2024年度 第26回ゼミ

11月18日に第26回ゼミを行いました!今回の内容は原田くんと安藤先輩の論文紹介,山下くん・市川先輩・間宮先輩からの進捗報告の2点です.

初めに原田くんからの論文紹介がありました.走行中の自動車と対向車線の自動車それぞれのレーダーの干渉により起こる検出ミスの確率に関する論文で,レーダー方式を微修正することでミス確率を減らすことができるという内容でした.ただしゴーストターゲット(実際は存在しない物体を誤検出してしまうこと)が多くなる欠点もあり万能というわけではないようでした.
次に安藤先輩からの論文紹介がありました.WDM(波長分割多重,波長の異なる光を用いて多くの情報を伝送)を用いた車載通信についての論文で,車内環境の模擬のため振動や熱を加えてBER(受信信号が送信信号からどれだけ誤っているか)を測定しており,振動の周波数はあまり関係なく振動の有無や温度の上昇がBERに大きく関係することが述べられていました.

次に山下くんの進捗報告がありました.光ファイバ振動実験に使用する固定器具を完成させ,次はSLM(空間位相変調器,光の振幅や位相などを変化させる器具)を固定する器具の作成に取り掛かっているようでした.中間発表までに実験に取り掛かることを目標として急ピッチで作業を進めるようです.
続いて市川先輩の進捗報告がありました.前回から引き続き有線・無線ネットワークのルーティングプログラムを作成しており,進捗として輻輳の再現が行われていました.次は何らかの方法を用いてロスが少ない自動ルーティング(輻輳状況に応じて有線無線のどちらでデータを送るか)を行うことが目標とされていました.
最後に間宮先輩の進捗報告がありました.間宮先輩は今週末からドイツへ渡航し海外の学生・教授陣とプレゼンや交流を行ってくるため,先輩が帰国次第お話など聞いて参考にしたいなと思います.

今回の内容は以上になります!自分は来週進捗報告+論文紹介,再来週は中間発表と中々なハードスケジュールが続きますがなんとか頑張りたいと思います.
(文責 河合)

2024年度 第25回ゼミ

11月11日に第25回ゼミを行いました!今回の内容は山下くんと市川先輩の論文紹介,澤田くん・原田くん・安藤先輩からの進捗報告,安藤先輩の海外渡航報告の3点です.

初めに山下くんからの論文紹介がありました.波面収差(光路の屈折率が一定でないことなどで起こる,観測時の歪みや焦点ズレ)を機械学習で補正しようという内容で,機械学習の過程での補正や計算などがかなり難しい内容となっていました.これにより,ごく薄い(=光をほぼ全て透過してしまい焦点が合いづらい)物体などを観察できるようになるようです(教授談).通信とは一見関係なさそうな分野まで何でも知っておられる教授の見識の広さを改めて感じました.
次に市川先輩からについての論文紹介がありました.diffserv(通信においてデータパケットを区別・優先順位付けする仕組み)を機械学習を用いて発展させたL-diffservの性能評価についての論文で,diffservの欠点であった静的である(データが送られてくるたびその都度作業を行う必要がある)という点を解消し動的(≒自動)なルーティングを実現した点がL-diffservの利点だという内容でした.今後もデータ量が増加していくにつれ処理に時間がかかってしまうため,この論文などのように機械学習などを用いて計算コストを減らす取り組みが今後重要になっていくと感じました.

次は澤田くんからの進捗報告でした.以前の論文紹介で取り上げたトーンインジェクション(電力の高い特定の周波数帯に信号を追加し,ピーク電力を抑える方法)の導入に取り組み,PAPRを11.8dB→10.02dBまで削減することに成功していました(単位がdBなので分かりづらいですが結構下がっています).ただしこの方法は平均電力を上げるというデメリットもあり,ここのバランスをどうするかについて悩んでいるようでした.
次は原田君からの進捗報告でした.レーダーの観測結果と理論値(レーダー方程式で求まるもの)が合わないことが問題のようでしたが,縦軸を振幅→電力に合わせたり,使用機器の抵抗値分だけ測定値に乗算してあげたりなどで実験結果と理論値を一致させることができそうだと教授からアドバイスを頂いていました.これで上手くいくといいなと思います.
最後に安藤先輩からフィリピンでの発表の報告+進捗報告がありました.フィリピンのアテネオ大学というところで研究室見学や講演会の傍聴,先輩自身の研究プレゼンなどをすべて英語で行ってきたことを報告していました.来年には自分たちも同じようなことをするのだと考えると今のうちから英語などには慣れておかないといけないなと感じました.
進捗報告としては前回から引き続きサーバーとクライアントの時刻同期の問題で,今度は通常の誤差(300msほど)とは別に周期的に1秒の誤差が現れるという謎の現象が現れていました.問題を解決するとまた別の問題が発生するという厳しい状況のようですが,1つずつ問題を解決していく姿を僕も見習っていきたいと感じます.

今回のゼミの内容は以上です!ついに中間発表まで3週間となりましたが進捗が早くも怪しいです.11月は教授が不在の日も多いですが,教授に頼りきりにならず自分で考える訓練の良い機会だと前向きにとらえて頑張ります(とはいえ一人でやるには限界もあるので,適度に先輩や教授を頼ろうと思います).

(文責 河合)

2024年度 第23回ゼミ

 10月28日に第23回のゼミを行いました.今回の内容は僕と有地先輩の論文紹介,原田くんと山下くんと間宮先輩の進捗報告です!

 はじめに僕の方から論文紹介を行いました.内容は複数の等化(受信時に行う,種々の雑音を除去する作業)方法の比較でした.内容をなぞることは比較的簡単だったのですが,発表後の教授との会話を通じ,少し掘り下げた部分について理解が足りていないなと感じました.論文発表後には毎回言っている気がしますが,もっと原理部分から理解できるよう勉強を頑張りたいです.
 次に有地先輩からの論文紹介がありました.PAPR(ピーク比平均電力比.おおよそ消費電力に比例するため低い方が良い)の低い方式であるRoC-ACO-OFDMについての論文で,①低PAPR,②できるだけ信号をカットしない,を両立するための方法が解説されていました.実際に使うにあたってどの程度のPAPRを想定しているのか,パラメータの設定をどうすれば良いのかなどについて教授と議論を行っていました.

 次に原田くんからの進捗発表がありました.ブックスタンドを対象物と仮定してレーダーで検出し,得られた結果(受信電力など)をレーダー方程式に代入して理論通りの結果が得られているか確かめる作業を行っていました.その結果ある点だけ値がおかしいことに気づき,今後その原因について考えていくようでした.
 次は山下くんからの進捗発表でした.スターラー(実験装置に振動を与える装置)の目盛りが具体的に何Hzに対応するかの測定や,それを使って特定周波数を実験装置に掛けその上でデータを送信した際の波形への影響確認,波形発生器(red pitaya)の使い方の勉強などを行っていました.今後はこれらの結果を基にOFDM信号の生成に挑戦していくようでした.
 最後に間宮先輩の進捗報告がありました.実験に使用するプリント基板の設計や偏波制御プログラムの高速化を行っており,これからプログラム実行時間を大幅に短縮して実行時間1msを目指すようでした.

 今回のゼミの内容は以上になります.卒論の中間発表が12月初めにほぼ決定したため,あと1ヶ月で発表に堪えられる結果を出せるよう研究に邁進していきます.
(文責 河合)

2024年度 第21回ゼミ

10月15日に第21回のゼミが行われました!今回の内容は安藤先輩と原田くんの論文紹介,山下くんと市川先輩の進捗報告の2つです.

まず初めに安藤先輩の論文紹介がありました.SiPhONという車載光ネットワークの仕組みについての論文で,高信頼性かつ低コストな配線方法が紹介されていました.但し制御用装置が中心部の1つしかなく,(このことで低コストや高信頼性を実現しており,その対価として)中心部からの指示が来るまで末端部では何もできず,結果として末端部でのデータの送受信に遅延が発生してしまうことが欠点として挙げられていました.

次に原田くんからの論文紹介がありました.FMCWという自動運転に必要不可欠なレーダーについての論文で,帯域幅やシチュエーション(車両や歩行者の配置)を変化させてシミュレーションを行い,できるだけ分解能の高いレーダーを得ようという論文でした.FMCWを使っていくにあたり,原理部分をもっと勉強して理解することが次の目標のようでした.

次に山下くんからの研究進捗報告がありました.光ファイバを車載用に使う上で,まずは車内環境を模擬するために光ファイバを振動させる装置を作成していました.今回の装置は比較的単純なものでしたが,今後は振動以外も模擬できるようにより複雑な装置の作成を目標としているようでした.

最後に市川先輩からの進捗報告がありました.通信路をわざと輻輳させ,そのうえでデータを送信して劣化具合を調べるプログラムを作成したもののうまく動作していませんでした.次の目標はこのエラーの解消,及び有線・無線の2通りのルートを作成しデータの品質を比較してみることのようでした.

今回のゼミの内容は以上となります!B4も研究が本格的に始まってきたということで,次回からはB4の進捗報告が2人ずつとなり順番的に僕が進捗報告となります、、良い発表ができるよう研究頑張りたいと思います、、
(文責 河合)

2024年度 第19回ゼミ

9月24日に第19回のゼミが行われました!今回の内容は僕と有地先輩の論文紹介,澤田くんと間宮先輩の進捗報告の2つです.

はじめに僕の方から論文紹介を行いました.MIMO通信において様々なイコライザー(通信経路においてどうしても周波数成分ごとに損失が起きてしまうため,それを補償する機器)を用いて性能比較を行う論文を紹介しました.しかし結果の話以前に,使用したイコライザーがどのような原理で動いているのか質問された際に答えに詰まってしまい自分の理解不足を実感しました.もっと勉強します.
次に有地先輩からの論文紹介がありました.OFDM(信号を直交させることで,単一周波数帯に複数信号を混ぜた伝送を可能にする技術)においてAlamouti符号,繰り返し符号(符号化(データを0と1に変換すること)の手法)の性能差を比較した論文で,一概にどちらが優れているのではなく条件によって使い分けた方が良いという内容でした.

次に澤田くんから進捗発表がありました.OFDM信号をテラヘルツ帯というとても周波数の高い領域で送る研究で,まずOFDM信号を作る部分についてプログラミングを行ったことを報告していました.様々な方法がある中で,教授から今回のものとは違う方法を提案されており今後はそちらの実装を目指すようでした.
最後に間宮先輩の進捗報告がありました.前回作成したアンプ(信号増幅器)の動作を入力信号を変えながらテストしていました.様々なトラブルがあったようでしたがそれに対する原因の推定も行われていて,正しい動作が得られるまでトライアンドエラーの繰り返しとなりそうでした.

今回のゼミの内容は以上です!研究がようやく始まったばかりですが,中間発表も控えているためゆっくりしてはいられません.ちゃんと進捗を生めるよう日々頑張りたいと思います.

(文責 河合)

2024年度 第17回ゼミ

9月3日に今年度第17回目のゼミが行われました.今回の内容は原田くんと安藤先輩の論文紹介,市川先輩の進捗報告の2つです.

まず最初に原田くんの論文紹介がありました.原田くんの研究分野となるセンサー・レーダー技術についての論文で,現在航空分野で使われているモノスタティックレーダー(送信・受信機が同一場所にある)の代わりにマルチスタティックレーダー(受信機が多数設置される)を使う内容の論文でした.
但しこの論文はレーダーを活用する内容の論文であり,レーダーの中身についてはあまり触れられていないようでした.次回からはもっとレーダーの中身について触れられている論文を読んでいくようです.

次に安藤先輩からの論文紹介がありました.NTP(ネットワーク内の機器の時刻を同期させる仕組み)を用いてネットワークの遅延時間を正確に測定する手法についての論文で,論文内では送受信機での処理時間や送受信間のクロック差まで考慮したうえでの実験を行っていました.
余談ですがこの論文は日本語だったため,論文発表の前に教授から「日本語じゃん」とツッコミを受けていました(絶対英語の方でもっと詳しい論文があるから,という論理のようです).読みやすい日本語論文ばかり読んでしまいがちですが,意識的に英語論文を多く読んで英語への抵抗感をなくしていきたいと思います.

最後に市川先輩から研究進捗の発表がありました.ToS(データの先頭部分につけてデータの優先度などを指定するもの.)を用いたルーティング制御を試していましたがあまり上手くいっていなかったようで,ToSにこだわらずDSCPなど他の優先度指定の仕組みを用いることも考えていました.

今回の内容は以上となります!次回のゼミからB4の進捗発表が始まるため心して掛かりたいと思います、、

(文責 河合)

2024年度 第15回ゼミ

9月3日に今年度第15回のゼミが行われました.今回の内容は間宮先輩の進捗報告,有地先輩の研究インターンシッププレゼン(※研究インターンシップ:創造工学課程で行われる,約3ヶ月間の長期インターンシップ)の2つです.

まず最初に有地先輩から研究インターンシッププレゼンがありました.
研究インターンシップは創造工学課程での必修科目で,自分の研究分野に関連した機関で研究活動を行うものとなっています.先輩の研究分野である高速・高信頼な通信についての紹介,また名工大の紹介などについてのプレゼンをインターン先の研究者に対して行うため,その予行練習として今回のプレゼンが行われました.教授からアドバイスを受けてさらなる改善を行うようです.

次に間宮先輩から研究進捗報告がありました.redpitaya(高周波信号を扱える小型コンピュータ)をAPI制御(APIという,異なるソフトウェアやサービスが互いに通信するためのインターフェースを用いて機器を制御すること)し,アンプや偏波コントローラを実装することが今回の目標のようでした.
結果的に実装自体はうまく行ったものの,使用するredpitaya毎に結果が異なるという不思議な事態に遭遇していました.次の目標は結果の差がどこから生まれているのかの原因特定となりそうです.

今回の内容は以上となります.久しぶりのゼミでしたがいつも通りできたので良かったかなと思います!9月末からはB4の卒業研究進捗発表も始まるのでそれまでに発表できるような進捗を産めるといいなと思います、、、

(文責 河合)

オープンキャンパス

8月1日に高校生向けのオープンキャンパスがありました!(自分が高校生だったのももう4年前という事実に驚きを隠せません、、)今回菅野研究室は研究室見学という形でオープンキャンパスに参加しました.

研究室見学では初めに簡単な研究紹介を行い,その後Nintendo Switchを用いて実際に遅延を体験してもらいました.ディスプレイを2枚用意し1枚には通常通り出力,もう1枚には300 msの遅延を付加して出力することで擬似的に通信遅延を体感してもらおう,といった試みでした.
遅延を付加した側ではコントローラーを操作してから0.3秒後に操作が画面に反映されるため,操作がかなり難しくなります(僕も試しに何回かやりましたがガチで難しかったです).ゲームという身近なものを通じて,なかなか良い感じに遅延の重要さを認識してもらえたかなと思います.

この日は計80人ほどの高校生の皆さんに研究室を見学して頂きました.と言っても実は僕はあまり何もしておらず,M1の先輩方にSwitchの配線を組んだりホワイトボードに説明を書いたりなどほとんど全ての準備をして頂きました,ほんとにお疲れさまでした!
来年は僕たちB4が準備することになるので,遅延体験以外にも何か良い案を出せたらなぁと思います.

(文責 河合)

追伸:ちなみにこの記事はスマホで書きました.たまにスマホで講義のレポート書いたりもしますし,パソコンなくてもスマホだけで何でもできる良い時代になったなあと思います.あとはプログラミングさえできるようになれば研究もスマホだけで完結するんですがこれはいつになるんでしょうか.

2024年度 第13回ゼミ

7月16日に第13回のゼミを行いました!今回の内容は安藤先輩と山下君の論文紹介,市川先輩の進捗報告の2つでした.

まず安藤先輩から「車線維持システムのための車載ネットワーク遅延」についての論文紹介がありました.カメラを使って道路の白線を検知し,車が車線からはみ出さないようにするにはどの程度の通信速度が必要かを伝送遅延・カメラの解像度なども含めて考察した論文であり,先輩自らの研究における遅延の扱いの参考にすることを目的にこの論文を選んだようでした.

次に山下君から「SLM(液晶空間光変調素子,液晶を使って光の位相や偏波を変調できる装置)を用いたモード分散(光の経路が多数あることで到達時間にずれが発生して起こる損失)の補正」に関する論文紹介がありました.約20年前の論文でしたが内容は非常に難解で,ここから最新の研究に追いつくまでにはかなりの量勉強しなくてはいけないことを改めて感じました.

最後に市川先輩からの進捗報告がありました.IGPとEGP(それぞれネットワーク内部で使うプロトコルと外部で使うプロトコルで,様々な種類がある),BGP(ネットワーク内部と外部を接続する際に使うプロトコル)についてのまとめ+自分の研究にどのプロトコルを使うかについての報告で,各プロトコルの仕組みや長所短所についての説明が主な内容でした.考慮すべき点がかなり多く,どれを使うか決定するのがかなり難しそうだなと感じました.

今回のゼミの内容は以上です.次回のゼミを最後にB4の院試期間のためゼミが9月までお休みとなりますが,院試受験組は院試勉強に,研究組は研究に集中していきたいと思います!

(文責 河合)

2024年度 第11回ゼミ

7月1日に第11回のゼミを行いました!

初めに澤田くんからテラヘルツ技術についての本紹介がありました.テラヘルツ信号の発生の方法・検出の方法などについてが主な内容で,少々古い本だったこともあり教授や先輩から最新情報を適宜追加していただきながらの発表となりました.

次に有地先輩からの論文紹介がありました.もともと無線通信用の技術であるMIMO技術を光ファイバにも適用する方法についての論文で,MMF(マルチモード光ファイバ)でMIMOを行うときに起こる様々な問題点に対する対処法に関して発表がありました.
また今回の論文はいわゆるレビュー論文であり,概説として読むには良いが具体例が不足しがちなため,勉強のためには参考文献まで読み込むことが大切であることを教授から教えていただきました.

最後に間宮先輩から研究進捗報告がありました.プログラミング(C言語)についての進捗が主な内容で,エラーの原因を教授や先輩に指摘され問題が一気に解決していました.プログラミングは確実に使うことになるのに加え,やったのが1,2年生の時で内容を完全に忘れているため,このタイミングでしっかり復習しておこうと思いました.

午前に推薦院試があり,その後すぐのゼミということでかなり疲れましたが,ゼミは先輩や教授から有意義な情報をたくさんもらえる良い機会のためなんとか話についていけるよう必死に頑張りました.回を進めるごとに少しづつ先輩の研究の内容も理解できるようになってきた気がします.この調子で次回以降のゼミも頑張っていきたいと思います!

(文責 河合)