月: 2025年9月

2025年度 第16回ゼミ

9月18日に16回目のゼミを行いました。今回の内容は、梅田君、M1原田君、岡田君による本・論文紹介、澤田君と有地君による研究の進捗報告でした。

まず、梅田君から論文紹介がありました。100Gb/s NG-EPONシステムにおける符号間干渉(ISI)対策としての等化手法についての論文で、従来のSVMを改良した修正SVMでは、独自の特徴ベクトルを構築しており、伝送性能の向上が確認されました。帯域制限によって生じるISIに対して、従来のFFEやDFEよりも高い等化効果を示し、電力バジェットの改善にも寄与することが確認されていました。

次いで、原田君から論文紹介がありました。、FMCWレーダにおける検出可能な速度範囲を拡張する新たな手法に関するもので、仮想チャープと選択的サンプリングを活用することで、従来法では検出が困難だった高速移動体に対しても速度の推定が可能であることが示されていました。

次いで、岡田君から論文紹介がありました。内容は、災害時におけるUAVを用いた通信支援システムにおいて、UAVの巡回速度と帯域幅の割り当てを同時に最適化することで、より多くの被災者からデータを収集する戦略に関するものでした。

次に、澤田君から進捗報告がありました。長波形送信時のチャネル補償精度を改善するために、パイロットシンボルの挿入方式を見直し、10シンボルごとに補償を行うことで位相ずれへの対応を強化していました。また、機器の不具合がファームウェアのバグによるものと判明しており、アップデートの重要性について喚起していました。

次いで、有地君から進捗報告がありました。AWGを用いた任意波形生成の信頼性を向上させるとともに、NRZおよびOFDM信号の高速伝送実験に取り組んでいました。理想と異なり誤りが生じてしまう点の考察について教授と議論を重ねていました。

今回のゼミは以上になります!B4進捗報告の開始時期も定まり、それぞれの学年が異なる忙しさを抱える時期に入っていきますが、今年は3世代が揃う初めての年でもあります。研究室全体で支え合いながら、一丸となってこの苦しい時期を乗り越えていきたいと思います。

(文責 山下)

2025年度 第15回ゼミ

9月9日に15回目のゼミを行いました。今回の内容は、宮本君、有地君による本・論文紹介、山下と間宮君による研究の進捗報告でした。

まず、宮本君から論文紹介がありました。光カメラ通信におけるデータレート向上についての論文で、人工ニューラルネットワークベースのイコライザを用いて符号間干渉(ISI)を軽減し、通信性能を改善できることが述べられていました。特に、提案手法は12kbpsまでのデータレートでFEC制限以下のBERを達成し、従来法に比べてISIの影響が大きく軽減されていることが実験により示されました。

次いで、有地君から論文紹介がありました。内容は、Alamouti符号をOFDMにおいて周波数領域で適用する空間周波数符号化(SFC)に関するものでした。特に、周波数選択性の影響による性能劣化を防ぐために提案された同時最尤復号により、空間時間符号化(STC)と同等の性能が得られることが示されていました。

次に、山下が進捗報告を行いました。 条件を変えた伝送実験を通しで行い、結果について考察するとともに、卒業研究では間に合わなかった波面制御装置についてセットアップ及び動作確認を行いました。おかしな伝送挙動が見受けられた点について、原因について調査するための実験機器を貸し出していただくことになったので、一刻も早い原因究明に努めたいと思います。

次いで、間宮君から進捗報告がありました。FPGA上で最急降下法による偏波制御プログラムを実装し、Red Pitayaを用いた動作準備を進めていました。あわせて、PRBS生成・BER計算・AWG制御の各プログラムをPythonで作成し、RF送受信や光伝送の動作確認も行っていました。

今回のゼミは以上になります!就活イベント真っ只中ということもあり、普段の2/3ほどしか学生のいないゼミとなりました。再び全員が集合するゼミは何週間後になるのでしょうか。

(文責 山下)