12月9日に第29回ゼミを行いました!今回の内容は僕と間宮先輩の論文紹介,原田くんと山下くんと安藤先輩の進捗報告の2点です.
まず僕から論文紹介を行いました.イコライザーの整定時間(出力が安定するまでの時間)と性能の関係についての論文で,整定時間が長いほうが性能が良くなると書いてありました.
しかし教授との会話の中で,これは整定時間が長いほど良いというわけではなくデータレートの逆数に近いと良い(今回のデータレートは6.25[Gb/s]であるためその逆数である160[ps]程度)ということが分かりました.背景知識が足りないとこのような誤読をしてしまうという具体的経験を得られたため,今後は研究一辺倒ではなく適度に座学も挟んでいこうと思います.
次に間宮先輩からテラヘルツ通信の課題についての論文紹介がありました.スペクトル管理(大気中分子による波の吸収など),6Gとの統合上の課題(テラヘルツ波は周波数が高いため,人間の横断程度の些細な現象で送受信ができなくなってしまうなど)について述べられており,最新の研究の動向を確かめて自分の研究にも活かしていくためにこの論文を選んだようでした.
次に原田くんからの進捗報告がありました.レーダーの対象物を自作してレーダーで観測し,その結果をレーダー方程式と比較して妥当性を確かめていました.一応の結果は得られたものの,測定点の端にいくにつれ誤差が出てくるためどの点までのデータを使うかで教授と議論を行っていました.次はレーダーを複数動作させることが目標のようです.
次に山下くんからの進捗報告がありました.使用するアンプの自作やSLMを用いた偏波の制御を行っていましたが出力が弱すぎる(≒雑音が大きすぎる)問題に直面していました.次の課題はSLMのさらに詳細な制御,CMOSカメラによる空間モード(光が光ファイバー中を伝搬する経路は光ごとに異なり,それぞれの伝わり方を空間モードといいます)の観測となりそうです.
最後に安藤先輩から進捗報告がありました.前回発生していた時刻同期のエラーをおおむね解消し1秒あたり10[µs]程度の誤差まで精度を高めることに成功していました.次はこの時刻同期を定期的に実行するプログラムを完成させること,またサーバー側で車両の情報を確認するためのプログラムの作成などを行っていくようです.
今回の内容は以上となります!年末も近いですが年が明ければすぐ卒論締め切りとなるのであまりゆっくりしているわけにもいきません.できることは今のうちに進めていこうと思います.
(文責 河合)