2025年度 第29回ゼミ

2025年度 第29回ゼミ

12月18日に29回目のゼミを行いました。今回の内容は、河合君による論文紹介、宮本君、梅田君、河合君、安藤君、岡田君の研究進捗報告でした。

まず、河合君から論文紹介がありました。受信側での雑音増幅を抑えるため送信側でも等化を行い、送信フィルタと受信フィルタの最適化を組み合わせることで、2×2 MIMOシステムにおけるNRZ・PAM4信号のBERを同等に保ちながら必要光パワーを1~2 dB低減できることを示していました。

次に、宮本君から進捗報告がありました。4色・1モジュール2ビットのHCC(High Capacity Color)2Dコードについて、エンコード・デコード手法を実装し、撮影画像に対する位置補正や色キャリブレーションを含めて正しく復号できることを確認するとともに、理論的にQRコードと比較して情報容量が大きく向上することを示していました。

次いで、梅田君から進捗報告がありました。980 nm VCSELの光電変換効率について公開データから算出し温度依存性を含めた妥当な値が得られることを確認していました。また、ケーブルのDe-embedding結果から伝送路損失が軽減される傾向を確認していました。

次いで、河合君から進捗報告がありました。ZF-DFE(ゼロフォーシング決定フィードバック等価器)を時間領域で実装し、BPSK変調では等化とBER低下が確認できるところまで動作確認するとともに、将来的には位相を含むチャネル応答を考慮した周波数領域等化の適用可能性についても教授と議論していました。

次いで、安藤君から進捗報告がありました。研究プロジェクトの実地試験を行いつつ、現地でのGNSS(全球測位衛星システム)の位置・時刻精度の調査を行っていました。修論と並行して行われている実地調査であるため、修論の落としどころについても検討・相談を行っていました。

次いで、岡田君から進捗報告がありました。シングルユーザの省電力化を目的として、送信電力最適化を等電力伝送に置き換える際のSIC係数決定を検討し、等電力条件下のBER特性からエラーフロア直前となる5dBが最適であることを示していました。一方で、そのエラーフロアはNLoS環境におけるセルエッジユーザの影響によりSIC係数では低減できないことも説明していました。

今回のゼミは以上になります!風邪で数日を無駄にしてしまい、忙しい時期であるため焦りを感じています。皆さんも体調には十分お気を付けください。

(文責 山下)